コロナによる経済格差
- seikeigakubueuropa
- 2022年4月27日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年7月8日
G032222020 渡辺才華
引用:コロナによる「経済危機」は、むしろ社会的弱者に「恩恵」をもたらした|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp) 2022/01/12参照
Ⅰ記事説明
①内容説明
2020年春→ロックダウンにより経済の停滞、
低スキル労働者やマイノリティーの人々に特に打撃。
《パンデミックの影響で格差は悪化するとの見通し》
→しかし2022年必ずしもそんな状況にはなっていない
(実例)失業率は2020年に上がるも、現在は7.5%とコロナ前の水準まで回復している。
しかし若年失業率をコロナ禍直前の水準と比較すると、まだ高めの状態にある。

(出典:ユーロ圏失業率(2021年8月)-失業率は4か月連続で低下し7.5%に |ニッセイ基礎研究所 (nli-research.co.jp) 2022/10/01参照
理由:ほとんどの先進国で過去最大級の政府支援策
ドイツ、フランス、イタリア、スペインのEU4大国では20年1月からの1年間で所得格差がむしろ縮小したとの研究もある(引用:一つ目の記事)
→こうした結果から見えるのは、前代未聞の経済危機から社会的弱者を守る上で、政府が最後のとりでとしての保険事業者の役割を果たし得るという事実がわかる。
②今後の見通し
ヨーロッパの経済回復はまだ段階的なのに政府は支援策を縮小しつつある。それによりパンデミック以前の格差拡大が再燃するのだろうか。
筆者の意見:現実はその逆であり、以前の格差拡大傾向はパンデミック後の世界でむしろ反転しそうな兆候。労働分配率は20年、21年ともに上昇(※労働分配率は元々長期にわたって低下していた。その理由は労働者不足であると筆者は主張する)
③まとめ
「EU諸国の多くでは、一定の失業者を抱えつつ退職の動きも拡大しており、労働者不足は続きそうだ。低スキル労働者ほど需要がなくなる、という超長期的な傾向をパンデミックは加速させたが、短・中期的にはむしろ正反対の効果が見られそうだ。~(中略)~ 経済的観点から見ると、コロナ危機が社会的弱者に及ぼした影響は、予測よりはるかに良いようだ。当初の収入低下は寛大な政府支援で補塡され、力強い経済回復で雇用も改善する」(引用:一つ目の記事) と筆者は失業率のデータを用いて、楽観的な見方をしている。
Ⅱ反対意見、反対記事
先進国では社会福祉により、低所得者の失業を押さえ結果経済格差は拡大しなかったとの筆者の意見だが、それは本当なのか 。
①ドイツの例

引用→コロナ危機により所得格差が拡大(ドイツ:2021年4月)|労働政策研究・研修機構(JILPT) 2021/04
記事にあるように所得格差が拡大したとの見方もある。
「所得が特に減少した者の職業上の特徴や社会的特徴を見ると、自営業者のほか、派遣労働者やミニジョブ労働者などの不安定労働者が多かった。また、移民の背景を持つ人や子を持つ人にも、より広範囲な所得減少が認められた。」
②世界全体はどうなのか
引用:日本経済新聞
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB272Q20X21C21A2000000/?msclkid=740fd64ebffb11ec858a6f2d3050f1b3)2021/12/27参照
日本経済新聞の記事では、世界不平等研究所の発表によると世界の富裕層と貧困層の格差が広がったと紹介している。 世界全体の所得に占める割合は、上位10%の富裕層が52%に上り下位50%はわずか8.5%だったという。
③まとめ
引用:IMFホームページ記事「力強い復興に必要な3つの優先政策 (imf.org)」 2022/02/16参照 (https://www.imf.org/ja/News/Articles/2022/02/16/blog021622-three-policy-priorities-for-a-robust-recovery?msclkid=d0c21f76bfff11ec8871608e879053b2)
IMFが出した最近の記事によると、
1. 世界経済が回復し続けていることだが、不透明感が高くリスクも高まる中で、
回復は鈍化している
2. だからこそ、強力な国際協調と並はずれた機動性が必要
↓ ↓ ↓
3. 長期の経済的コロナ禍に対処する幅広い取り組みが必要
具体的には...
・G20諸国の財務省と保健省の連携強化
・元々教育達成度が大幅に低かった新興市場国では、学校閉鎖期間がとりわけ長く、
各国間の危険な格差が深刻化する恐れがある為、その支援
4. 各国は金融引き締めサイクルを乗り切る
→各国間には著しい差異があり今後の不透明感も高いが、多くの国で
インフレ圧力が高まっており、必要に応じて金融緩和を終了させることが必要。
5. 各国は政策の重点を財政の持続可能性に移行する必要
④+@ロシアによるウクライナ侵攻の懸念
引用:IMFホームページ記事「インフレが加速する中、戦争が世界経済の見通しを曇らせる (imf.org)」(https://www.imf.org/ja/News/Articles/2022/04/19/blog-weo-war-dims-global-economic-outlook-as-inflation-accelerates?msclkid=e32bde2ec00111ec9ee4652eb76ff8e3)
世界経済の見通しは、ロシアによるウクライナ侵攻を主な理由として、大幅に押し下げら
れた。
何億人もの人々を貧困から救い出してきた多国間の枠組みが決して解体されることがない
よう、世界経済秩序の全体的な安定性にも特別の注意を払うべきであると締めた。
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